IBD版の就労支援に関する要望書(JPA全国一斉行動 12月8日)
熊本IBD会長 中山泰男

 12月8日(月)のJPA全国一斉行動において、IBD版の就労支援に関する要望書も一緒に提出されました。内容は下記のとおり。なお、提出に際しては、北海道IBDの萩原さん、宮城IBDの木村さんのご協力を頂きました。

要  望  書
(難病者の就労支援促進の制度化実現に向けて)


 平素より炎症性腸疾患(IBD:潰瘍性大腸炎・クローン病)患者を含む難病者への支援、並びに特定疾患治療研究事業に対し多大なご尽力頂きまして、心より感謝を申し上げます。
 炎症性腸疾患はご存知の通り、小腸や大腸の粘膜に慢性の炎症や潰瘍を引き起こす原因不明の難治性疾患であり、残念ながら根治的な治療がありません。また、特定疾患等難病者の中でも若年層における発症が多く、患者の殆どが働き盛り世代であることが特徴としてあげられます。また、私たち難病者の多くは、体調が良かったり悪かったりと病状が固定しないため、障害年金の給付対象とならず、生きていくためには働き続けなければなりません。
 しかしながら、社会的に「難病者の就労支援」の理解が乏しいため、病名を明かしての就労は、とても困難であり、「リスクの高い労働者」として敬遠され易い状況が続いています。
現在、金融不安から企業のリストラが加速する中、地方においては、限りある短時間勤務の雇用枠を、中高年・子育て期の主婦・障害者・フリーター・ニート等の求職弱者と争っているような環境にあることは、直面した喫緊の問題となっています。
 特定疾患等難病者の就労施策については、障害手帳所持者と同様に就労上の制限が認められるにもかかわらず、法的な支えがありません。そのため、事業者にとっては、ある意味メリットのない労働者として敬遠されています。
 十分な資産形成の機会を得られず、雇用の機会均等も守られないといった非常に厳しい現状にあること、また、障害者の雇用・就労促進の施策やパートタイム労働法改正による「多様な働き方」等が押し進められる中、難病者への就労支援施策が、未だに確立されていない現状を踏まえ、下記のことについて要望を致します。
難病をもちながらも、夢をもつ若者が、社会人として自立した人生を歩める社会の実現に向け、ご理解とご支援を賜りたいと存じます。


1 難病者は持病をもった労働者です。就労の機会が失われないよう、事業主等への就労の啓発を積極的に進めてください。

2 難病者を法定雇用率の対象とするなどの施策を講じてください。

以上