2003年(平成15年)10月1日からの
特定疾患治療研究事業制度変更に伴う
クローン病、潰瘍性大腸炎患者さん向けアドバイス


 2003年10月1日より「軽快者基準導入」、「収入に応じた負担」などを柱とした特定疾患医療制度が変更されます。詳細は未定部分もありますが2003年6月19日の情報に基づき患者の対応アドバイスを以下のようにまとめます。
<臨床個人調査票記載前>
  • ポイント
    〜臨床個人調査票をかかりつけ医師が記入する前に相談を終えましょう。
  • 理 由
    〜重傷者、軽快者かとうかの判定は臨床個人調査票によって判断されます。自分の状態を過不足なく記載されるよう、事前の確認と作成後の確認(必要に応じて書き直してもらう)をしましょう。
  • 主な関連科目
    〜「生活状況」「腸管合併症」「腸管外合併症」「薬剤による副作用」。
     特に外科や眼科、皮膚科など他の科や他の病院も受診している場合は、そこでの(合併症や副作用)治療内容を、記載する掛かりつけ医師にきちんと知らせる事が大切です。
     上手く伝える自信がなければ、前回の臨床個人調査用のコピーを持ち込み、「ここを詳しく」などと伝えましょう。
IBDによくある合併症や副作用(全員にあるわけではありません)
皮膚症状 壊死性濃皮症、結節性紅斑、口内炎など
肝機能障害 硬化性胆管炎、肝障害、胆石症など
眼症状 虹彩炎、ブドウ膜炎、緑内障、白内障など
臓器ろう孔 ろう孔、痔ろう、肛門病変など
骨格 骨粗しょう症、大腿骨頭壊死など
関節 関節症状など
※ 調査票に表現しにくい個別状況は「治療と経過」「医療上の問題点」に記載してもらいましょう。足りなければ別紙を添付してもらいましょう。

<申請前>
 提出する書類(臨床個人調査票、特定疾患医療受給者証交付申請書、同意書、源泉徴収票など)は全てコピーを取っておきましょう。

<決定後>

  1. 該当疾患と認められない場合(不認定)
  2. 軽快者の場合(登録者証)□
  3. 所得に応じた負担の場合(白受給者証)
  4. 全額公費負担の場合(ピンク受給者証)
 の4つのいずれかになります。
 特に1.不認定2.登録者証となった場合は、なぜ自分がそう判断されたか主治医と確認しましょう。
 不服の場合は再申請が出来ます。なお、所得に応じた負担、3.白受給者証の方の院外処方は引き続き全額公費負担です。逆に言えば院内処方は薬剤費を含めて総額が3割負担の母数となります。特にエレンタールは高額ですので、これを機に院外処方にしてもらいましょう。

<再発(悪化)したら>
 時を置かず受診しましょう。
 特に2.登録者証の方は、症状悪化を医師が確認した時点から、3.白受給者証に変わりますので続きを進めましょう。1.不認定だった方は主治医と相談しながら再申請を行いましょう。

<他の都道府県へ引っ越した場合>
 2003年10月以降、認定状況(登録者証、白受給者証、ピンク受給者証)のまま「引越」が可能となりました。
 大枠では手元にコピー(両面)を取り、転出前に保健所に返納し、転出先保健所に申し出ます。
 以降は行政側の手続きのみで新住所に登録者証ないし受給者証が届くようです。転出先での申請のための検査などは必要ないようです。(新主治医による状態把握のための検査はありえます)